文学
7分でわかるカフカ『変身』|役に立てなくても愛される?
朝、目を覚ましたら、あなたの体が巨大な虫のような姿になっていた。あなたなら、最初に何を考えるでしょうか。「どうしてこんな姿になったんだ?」「病院へ行かなければ」「もう元に戻れないのか?」ところが、フランツ・カフカの『変身』の主人公グレゴール・ザムザが最初に心配したのは、もっと奇妙なことでした。仕事に遅れる。自分が人間ではないような姿になってしまったのに、彼は列車の時間や会社のことを気にしているのです。なぜでしょうか。ここに『変身』という物語を理解する最初の鍵があります。グレゴールは旅行セールスマンとして働き、父親の借金を返しながら家族全員を養っていました。仕事は好きではありません。それでも辞めら … [Read more...] about 7分でわかるカフカ『変身』|役に立てなくても愛される?
7分でわかる『世界99』|本当の自分は本当に必要なのか?
もし、「本当の自分なんて、なくてもいい」と思っている人がいたら、みなさんはどう思いますか?普通は、「自分らしく生きよう」「本当の自分を見つけよう」と言われます。でも村田沙耶香の小説『世界99』の主人公、如月空子は、少し違います。空子には、「これが本当の私です」と言えるような、はっきりした性格がありません。相手によって自分を変えます。家族の前では家族に好かれる空子。友達の前では友達に合う空子。恋人の前では恋人が喜ぶ空子。職場では、その場所で一番うまく生きられる空子。空子は、相手の話し方や態度をまねすることを「トレース」と呼び、周囲に合わせることを「呼応」と呼びます。なぜそんなことをするのでしょうか … [Read more...] about 7分でわかる『世界99』|本当の自分は本当に必要なのか?



